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2025年05月11日
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躑躅の道

2014年04月27日

「初夏」ともいえる陽気だった。
夏は苦手だが初夏はとても好きだ。

真夏なんて3日もあれば十分なので、「杉花粉の飛ばない春」と「初夏」が長ければよいと思う。

カルミナブラーナで春について歌うところはこのような心地のよい季節を思い描いてしまう。
「Ecce gratum」等はまさにこのような気候を言祝いでいるのではないかと。

最寄駅に至る道は春は桜並木であるが、今は初々しい若葉がきらきらと陽に輝き茂っている。
川べりには菜の花が、そして雪柳、白木蓮がいっせいに花開き、
更に躑躅も咲き始めた。
私の大好きな作家、泉鏡花が『龍潭譚(りゅうたんだん)』の中で描く躑躅が印象的だった。
少年は躑躅の道をたどりながら、日常から、ふと、傍らの異世界に入り込んでしまう。
以来、私も躑躅を見るたびに、どこか傍らの異世界を想わずにいられない。

そういえば、『眉隠しの霊』の最後の「桔梗」の一文で、泉鏡花の世界に捕らわれたことを思い出した。


東京にも皇居東御苑、新宿御苑、根津神社など躑躅の名所があるようなので、迷い込んでみたい。

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